アメリカの日本語補習校

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アメリカの日本語補習校


日本語補習校は、月曜日から金曜日まで現地の学校に通っている、原則的に日本人の子供を対象とした、週1回(ほとんどの場合が土曜日)の日本語学校です。アメリカ国内には、約80校の日本語補習校があります。
 
 

 日本人学校と日本語補習校の違い

 
アメリカの日本人学校は、月曜日から金曜日、日本の学習指導要領に則して日本語で日本の教科書を使って授業を行います。児童生徒は、企業派遣などの駐在者の子供がほとんどです。先生も大多数が政府派遣教員で、その中に現地採用教員が加わっています。したがって、日本の公立学校をそのままアメリカに移転したともいえるでしょう。
 
これに対し、日本語補習校とは、月曜日から金曜日までは現地校やインターナショナルスクールに通い、土曜日または日曜日だけ授業を行う学校です。ですから、自分の校舎は持たず、週末だけ近くのパブリック校やプライベート校を借りて、一日だけにわか日本学校を作るわけです。
 
授業は、週1回ですから、国語と算数が中心となります(社会を取り入れている補習校もあります)。児童生徒も駐在員、長期滞在者の子供だけでなく、国際結婚の子供、アメリカ人の子供も籍を置きますので、日本語のレベルにはかなりの幅があります。また、日本人学校とは違い、幼稚部・高等部・国際部(バイリンガル)を設置している学校がアメリカ国内にたくさんあります。
 
先生は全員が、現地採用教員です。教員免許を持っている方、持っていない方、国際結婚をされている方、駐在員の奥様など、さまざまです。ただ、報酬が伴いますので、それなりのビザを持っている必要があり、先生はいつも不足気味というのが実情です。義務教育籍の児童生徒数が100名を越えると、政府から管理職が派遣されます。
 
 






 補習校の目的

 
補習校の本来の目的は、一時的に日本を離れてアメリカで生活している子供たちが、帰国後に日本の授業についていけるようにすることです。しかし、最近はその幅がだんだん広がり、永住者や国際結婚の子供が日本語を習得し、日本の文化に触れるために入学することも多くなっています。ただし、授業はすべて日本語なので、それについていけるだけの日本語力が要求されます。
 
国際結婚の家庭で日本語を使う機会の少ない子供、アメリカ生活が長くて日本語力の不足している子供の場合は、学年を下げて勉強できる場合もあります。小さな補習校では、現地在住の日本人(教職資格・経験を問わず)が教えていることも多く、クラス内の日本語力にも幅がある中で、どのように学習を進めるのかなど、多くの課題を抱えている補習校もかなりあります。
 
日本国内の学校と同じように、全日制で日本の授業を行う「日本人学校」は、アメリカ国内でも限られた大都会にしかありません。それ以外にも私立の学校はありますが、地域が限られています。そこで、アメリカで生活する日本人(必ずしも日本国籍とは限りませんが)の児童生徒が、将来日本の学校に入学または編入するのを助けるために、補習校があるわけです。
 
 

 学習内容と課外活動

 
平日は現地校に通い、土曜日に補習校に行きます。つまり、日本では5日間でこなす内容を1日で勉強することになります。ですから、補習校ではあくまでも教科書の新しい単元を紹介するに留まり、あとは家庭で学習することによって、日本の学校の1週間分を習得しなければならないので大変です。
 
教科は、国語、算数、社会のみです。補習校によっては、国語と算数のみというところもあります。日本の教科書を使い、それにそった授業が行われます。それぞれ、3〜4冊のドリルを購入し、毎週、宿題として少しずつ進めていきます。先生によっては、ドリル以外に、独自に漢字プリントや計算プリントを作成し、宿題として出されこともよくあります。
 
課外活動としては、補習校ごとに多少の違いはありますが、習字、柔道・剣道教室などがあります。漢字の練習や音読、計算練習の宿題は、現地校の宿題やプロジェクトの合間にやらなければなりません。
 
「家庭は第二の学級、保護者は第二の担任」と言われている通り、アメリカでの滞在年数が長くなれば長くなるほど、日本語を維持することはむずかしく、家庭でのサポートがとても重要になります。
 
 
 
 
 
 

 補習校の運営

 
補習校の運営は、おもに各家庭からの月謝で成り立っていますが、企業や個人からの寄付金、そして規模の大きな補習校は、日本政府からの援助を受けて、非営利団体として運営されています。
 
月謝の金額や、就学学年、運営の総則・規定などは、補習校ごとに独自で決められています。すべての運営は保護者の代表が行います。ある程度規模が大きくなると、
文部科学省から認定を受け、日本から派遣教員(校長先生)や資金の一部が援助されます。
 
また、補習校は校舎を持っていないところがほとんどですので、現地の大学の校舎や教会などの施設を借りて授業を行っています。そのため、運営以外にも、机の設置や片づけ、図書の管理など、保護者に求められる仕事は日本の学校に比べて非常に多いといえます。
 
「学校は国が運営し、教育内容も日本と同じで、任せておけば大丈夫」という考えは、補習校に関しては当てはまりません。PTAの活動がある学校もあり、先生、生徒、保護者間の交流を図る架け橋的な役割をしています。
 
学期は、2学期制と3学期制の学校がありますが、現地校が夏休みに入る6月から、
日本に一時帰国する家庭が多く、1学期の通知表を渡すタイミングがずれてしまうことから、2学期制にしている学校もかなりあります。
 
日本へ一時帰国する方の大半は、日本の学校に体験入学をしています。この体験入学は日本語を維持するうえで、非常に効果的です。現地校は6月に夏休みに入っても、日本の学校は7月まであるわけですから、1か月くらいは体験入学が可能ということになります。
 
入学に際して、簡単な試験と面接が行われることがありますが、これは、学年相応の日本語力があるかどうかを判断するためのものです。幼稚部の場合には、1日体験入園を実施している補習校もあります。
 
また、年に2回、漢字検定の受検を実施したり、「運動会」や「学芸会」などの年間行事を通して、日本の習慣や文化に触れる場としての役割も果たしています。保護者向けには、定期的に教育講演会を開き、日本語をどのように保持するか、バイリンガルに育てるには何が重要なのか、を考える場を設けています。
 
当然のことですが、日本人の多く住む地域には、規模の大きな補習校または日本人学校の補習部がたくさんあります。一方、日本人のあまりいない地域には、日本語を勉強できる環境がないため、通信教育や問題集などを使って、家庭で勉強することになります。これは、小学生以上のお子さんをお持ちの親御さんにとって切実な問題です。
 
運営も大変だし、子供も大変、親も子供の送り迎えやボランティア(安全当番や図書の貸し出しなど)など大変ですが、日本語を保持するうえで補習校は欠かすことができません。片道2時間以上かけて通っている家庭もあります。子供たちは日本語に飢えていますし、日本人の友達と会えるのを心待ちにしています。
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
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